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エネルギー
ドイツが脱原発を選ぶ理由
10年以上に及ぶ議論の末、ドイツは原子力エネルギー利用を廃止することを決めた改正原子力法を2002年4月に施行しました。この法律により新規の原子力発電所建設・操業の許可が禁止され、既存の原子炉についてはドイツ全国の総発電規制値を達成した後(許可後最長32年)に操業許可が消滅することが定められました。ドイツの原子力発電所は今後平均9年弱で閉鎖されることになります。さらに法律では、2005年以降に放射能を帯びた燃料を再処理のために移送することを禁止しています。重大な事故が起こる危険性の高さが、ドイツが脱原発を決断した主な理由でした。国民の85%が原子力技術を危険とみなしており、主要な世論調査ではドイツ人の4分の3が脱原発に賛成していました。しかし原子力エネルギー推進派は、安全技術上の知識を得るために原子力エネルギー研究に投資するべきであり、さらにCO2の排出が少ないため原子力エネルギーの利用は環境保護にも役立つとしています。

2002年現在19あったドイツの原子力発電所のうち、シュターデ原子力発電所が2003年11月に閉鎖され、2005年春にはオブリヒハイムの発電所がそれに続きます。残りの17の原発の操業も2020年までに停止される予定です。2030年までに、放射性廃棄物は中間施設に移されることになっています。その後必要となる最終処理場は、一般市民、環境団体、そして関連団体などが参加する透明性のある選考手続きをもって選ばれる予定です。

核分裂技術に代わる技術とされる核融合技術も将来的に利用の可能性があるエネルギー源です。この分野においては、ドイツはEUの枠内で国際熱核実験炉(ITER)と実証融合発電所(DEMO)の二つの研究プログラムに参加しており、2050年をめどに最初の民間核融合炉の開発をめざしています。ITERはEU、日本、ロシアがその他の参加国と協同して進めている計画です。EUでは1990年代終わりに100億ユーロ(約1.3兆円)近くが核融合研究に投じられました。ドイツでは近年、年間およそ1億3000万ユーロ(約169億円)が連邦の予算として核融合研究に充てられています。ちなみに再生可能エネルギーの研究開発費として使われた連邦予算は、2000年に1億5300万ユーロ(約199億円)でした。核融合炉と核分裂の大きな違いは、核融合炉では制御不可能な核臨界が本質的に起こり得ないことです。しかし核融合技術の推進派も、競合する他の技術を使った場合に比べ、核融合での発電費用は高くなることを認めています。

グラフ-ドイツのCO2排出量の推移
グラフ-一人当たりの電力消費量
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