| 日常の環境保護 |
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| 環境を意識した「新」首都 ベルリン |
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人口300万人を抱えるベルリンはドイツ最大の都市であり、再びヨーロッパのメトロポリスへと発展しています。1990年のドイツ統一に伴い、首都はボンからベルリンへと移り、経済的にも再び魅力的な町になりました。ベルリンではこの建築ラッシュを機に、地球温暖化防止への取り組みが強化されました。連邦政府の省エネプログラムとは別に、ベルリン州政府は1人当たりのCO2排出量を2010年までに、1990年に比べて25%削減する環境基準を新たに設け、この基準をクリアするために様々な環境対策を講じています。
まず第一に、ベルリン州は周囲のブランデンブルク州と共同で貨物輸送の課題に取り組んでいます。その一環として、行政当局は建設会社に、できるだけ道路を使わずに大きな資材を輸送することを条件づけています。環境に配慮した、このようなベルリンの資材輸送政策がヨーロッパ最大の建設現場であるポツダム広場で適用されたことは注目に値します。ポツダム広場の投資企業体はこの建設現場に鉄道や水路を引き込み、1日当たり4万kmのトラック走行が削減され、渋滞緩和にも役立ちました。
交通面だけでなく、建設計画にも環境への配慮が盛り込まれています。ベルリンの新しい中心地ポツダム広場にあるダイムラーシティーは、7万m2の敷地に19のビルを持つ複合商業施設です。このダイムラーシティー(DaimlerChrysler Immobilien GmbH)のビルでは窓の開閉を可能にし、風を取り入れることによって温度調節を行い、また太陽光を部屋に取り入れ、人工照明の使用を最小限に抑えています。また、ダイムラーシティーのビルの大部分は屋上緑化されており、周囲の気温を調節する役割を担っています。総面積5万²の屋上は雨水を集め、その一部を屋上の植栽用に使っています。そして大部分は地下の貯水槽に貯められ、ポンプによってビル内を循環し、トイレや人工池、庭に使われ、また水が循環することによって館内の温度を調節しています。この雨水の利用により年間約2,000万リットルの水の節約が可能になりました。
かつてのチェックポイント・チャーリーがあった、その近くのGSWビル(Gemeinnützige Siedlungs- und Wohnungsbaugesellschaft Berlin mbH)は、両面ガラス張りで薄い本を立てたような形ですが、このユニークな形のおかげで、自然換気と自然光の有効利用が可能になりました。西側外壁の約1m内側にはもう一枚のガラスファサードが設けられています。このダブルスキンの内部にできる暖気の上昇に伴って発生する低圧力により室内の空気が排出され、反対に東側から新鮮な空気を取り込むようになっています。このGSWビルでは基本設計においては蓄熱をはじめエネルギーの有効利用がコンセプトとなっています。たとえば夏の間は夜間の冷気を内部に貯え、日中の室内温度を下げる役割を担っていますし、ビルの東側にはもう一枚のガラスシートがあり、断熱効果を発揮します。コンピューターが換気口を制御して外気を取り入れますが、必要に応じて職員が換気のために窓を自ら開閉することもできます。冬は5度以下になると、自動的にこの換気口が閉まり、セントラル・ヒーティングによって暖められた空気が館内を循環し、各部屋から排出される暖気は熱交換器を通り再び使われます。また、西側のダブルスキン内に取り付けられた様々な赤色系の日除けプレートは、訪問者の目を楽しませるだけでなく、太陽光の量を調節するために使用者が個々に調節できるようになっています。東側ダブルスキン内にはブラインドが設置されています。
1997年に稼動したベルリン・ミッテ発電所(Heizkraftwerk Berlin Mitte)は世界で最も進んだ、効率の高い天然ガス発電所です。発電プロセスは3段階に別れ、ガスと蒸気タービン両方を使用しています。第一に、天然ガスを燃焼させることによってタービンを回し発電し、その次にこのガスタービンに付属するボイラーから発生した水蒸気が蒸気タービンを回し、発電します。最後に蒸気タービンから放出された水蒸気は熱交換器を経由して延べ84kmのパイプラインを通り、約500の公共施設や企業、約6万世帯へ給湯しています。この一連のプロセスでエネルギー効率は90%に高まり、年間100万トンものCO2排出が削減されました。
民間だけでなく、政府の建物にも環境政策が見られます。特にライヒスターク(旧帝国議事堂)を改修したドイツ連邦議会議事堂はその象徴です。まず、この建物でもっとも目につくのがガラスのドームです。このドームを通して新鮮な空気が議場を換気し、また鏡効果により太陽光線は拡散され、議場の照明の役割も果たしています。さらに、発電システムは菜種油を燃料とする小型のコージェネレーションです。この発電の際に出る排熱は、そのまま冷暖房に使われ、またその一部は水を温め、地下300mにある自然の地層を利用した保存庫に貯蔵されます。ここには70度のお湯が保存されており、冬にはこの湯をくみ上げて暖房に利用しています。また、地下60mの保存庫には冬の間に貯められた5度の冷水があり、夏の温度調整に使われています。このコージェネレーションによって建物の電力の約8割がまかなわれています。
©Presse- und Informationsamt der Bundesregierung,
Faßbender Julia
ベルリンでは今後数年の間に環境負荷軽減プログラム(UEP)を通して環境がさらに改善されます。このプログラムの目的は、第一に経済成長と資源消費を切り離して持続的な地域の発展を図ることです。そして、都市インフラにおける環境技術の近代化、社会エコ的な都市開発の促進、さらには、雇用の確保と創出も目的の一つです。このUEPの前身とも言うべき環境助成プログラムが適用されたプロジェクトの中に、旧東ベルリンにある復活教会があります。老朽化によりこの教会は再建を迫られていましたが、再建の際に増築した約2,000m²の内1,000m²を環境をテーマにした展示場に、もう1,000m²をオフィス空間に割り当てることで、「エコセンター」として新しく生まれ変わりました。この建物の北西側と新築部分には、太陽光を取り入れるために、「ソーラーハニカム」と呼ばれる蜂の巣状の特殊な構造をした外壁が使われています。このソーラーハニカムは厚さ5cmのダンボールの断面をガラスで覆ったもので、その特徴は、太陽の位置が低いほど、つまり日中よりも朝夕、夏よりも冬に、太陽光線は奥へ差し込み、熱を貯める効果があります。その内側には断熱材があり、断熱層の役割をも果たしています。それ以外にも、ビル内に張り巡らされた温水パイプを使って、温度調節を行なっています。また天然ガスを用いたコージェネレーションやボイラー発電と並んで、太陽光発電も行なわれています。実に屋上の約3分の2にあたる120m²にソーラーパネルが敷設され、残りの40m2は外部への広告用に用いられています。
上記以外にもベルリンには環境を考慮した建築物が多く建設され、町の緑化にも努めています。実に889km²にも及ぶベルリンの総面積の17.5%が森林、6.5%が湖や川といった水辺、約6%が農地です。このようにベルリンでは自然と都市の共生が文字通り実践されているのです。
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